2007年10月13日 22:32

道元は「座禅は安楽の法門なり」と述べているが、釈迦も瞑想により思考や感情の動きを止めることにより「悟り」を得たとされる。
悟りまではどうか分からないが、不安や悩みがあっても眠っているときには忘れているのであるから、心の動きを止めれば一時的にではあれ、苦しみからは解放される。
しかし心の動きそのものを止めることはなかなか難しい。不安を打ち消そうとして気にしないようにすればするほど意識的になり、かえって不安になるものだ。
そこで不安そのものを否定せずに、他のものに心を止めることにより結果的に不安から開放される手段がいろいろ開発された。
息の出入りに心を止める呼吸法や、温かさや重さなどの体感に意識を向ける自律訓練法などもその方法である。
催眠は解離状態を生じるので、感情と理性を切り離したり、不安とリラックスを同時に体験させたりして、不思議な感覚(wonderful)を覚えることが出来る。現状から離れた、この「不思議さ」が治癒へのきっかけになりうるのだ。
先日パニック障害で治療を続けている患者さんが見え、忘れ物を極度に恐れる強迫性障害の症状に悩んでいると訴えた。パニック障害そのものはよくコントロールされており、SSRIも半錠を隔日くらいまでに減量できている。
強迫性障害にもSSRIが有効であるが、せっかく減量してきたのにまた増量するのはもったいないと考えた。さりとて最近はめったに催眠は使わないし、また誘導する時間もなかった。
そこで久しぶりにEFT療法なるものを行ってみることにした。これは症状そのものを認めたうえで、呪文を唱えさせながらツボを刺激させたりする方法である。
人間は同時にいろいろなことをやると「干渉」と言う現象が起こり、一つのことに向かう意識が弱まるのだ。私はやったことはないが、トラウマ障害に対するEMDRと言う方法も、たぶん脳の情報処理に混乱を生じさせることにより、「過覚醒状態」と「トラウマ」からの解放をもたらすのではなかろうか。
机の下敷きにたまたま1枚残っていたリマインダーのシートをあげて、ざっと練習してもらった。多少は効果があるとよいのだが・・・。
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