2007年04月05日 22:56

十年以上前であろうか。アメリカの占領中はマッカーサーが日本語版出版を禁止していた、ヘレン・ミアーズの「アメリカの鏡・日本」という本を読んだ。たしか敗戦50年目の年に、日本語に翻訳されたものである。
彼女はGHQの労働局諮問委員会のメンバーの一人として来日し、日本の労働法の策定に参加した。この本は「極東軍事裁判」が終了した1948年に脱稿された。
この本の中でミアーズは、「近代日本は西洋列強が作り出した鏡であり、そこに映し出されているのは西洋自身の姿である。近代日本が犯した罪があるとすれば、それは正に連合国の犯罪である。」という主張をしている。そして日本の伝統的価値観を、アメリカというキリスト教国家が完全に破壊することが日本占領であると述べている。
絶対者の視点を持ち、自他のエゴイズムに対して敏感なキリスト教徒の中には、このように総てを否定して観ることが出来る思想家がしばしば現れる。

先月のことである。私は卒業式の歌や「日本精神」について調べているうちに、台湾では今でも「仰げば尊し」を卒業式に歌う学校がある、という記述を目にした。おそらく歌詞自体は異なるのであろうが、メロディーはそのままであるという文章も読んだ。
そうして私は「仰げば尊し」のメロディーで始まり、「赤とんぼ」のメロディーで終わる「冬冬の夏休み」と言う古い台湾映画をたまたま知った。そしてアマゾンからDVDを取り寄せ、先週の日曜だったかにざっと観てみた。
以前も書いたように、私たちの世代より上の台湾人の中には「日本精神」と日本人をたたえてくれる人もいる。また、アジアの独立国の中では現在台湾が一番親日的である。台湾の人たちはどのような視点を持っているか興味があった。
この映画は一説には、宮崎駿監督の「トトロ」のモデルになったとも言われる映画で、祖父の住む田舎で夏休みの数日を過ごす、幼い兄妹の様々な人々との出会いと体験を綴った物語である。兄妹の母親は「トトロ」の母親以上に危険な病に陥っている。
その中で描かれている人々の姿は、私の個人的感想ではちょうど昭和30年代の日本のように見えた。子供たちのリアルな交流、そして愛情と責任を全うする家長である祖父。それは正に自分がかってあちこちで体験し、今はもう失いつつある姿である。
おそらく台湾でももうこのような人間関係は、現代では失われつつあるのではないだろうか。言うまでも無く、決していい悪の問題ではない。ただ私たち日本人は、かってはあのように暮らしていた、と私は確かに覚えていると言っているだけのことである。
終わりのころに医師である祖父が孫に向かって、「親は子供の一生は見れない。親が子供に出来ることなど、社会に出て行くための基礎を準備して、まともに送り出すことくらいだからな。」、と告げるところが胸を打つ。
だが私はただ失われた古き良き時代を懐かしんでいるのでもない。台湾は現代も正に日本を映す鏡であり、極論すればお互いに「一連托生」とさえ言っても過言ではないと考えているのである。
現在台湾の経済も日本と同じく中国への投資に依存し、台湾の経済界や多くの島民が大陸になびいているという。また台湾女性の地位の向上に伴い、台湾人の男性の結婚相手が中国人女性であることが増えているようである。この結婚は数年後には離婚問題に移行し、中国からの親戚が台湾へ移民として増加することも多い。
こうした状況は、台湾という独立国家が徐々に中国化されて来ているということを意味する。また台湾のマスメディアの資本の多くは、いわゆる外省人系が多く、台湾系のメディアが中国系に圧倒されている。
これはまるでどこかの国の状況に似てはいないだろうか。
加えて来年の3月は台湾の総選挙である。もし親中派の政権が誕生したならば、今週号の「サピオ」にもあるように、世界一親日的な国が世界一反日的な国になるかもしれない。海上輸送路の制海権が中国に握られるようになれば、日本は中川政調会長の言うように「中国の一省」となる時期が加速するであろう。さらに悪いときに、異なる2つのアメリカでは民主党の政権が誕生するかもしれない。
日本は大陸と係わりを深めてよかったことは何も無く、民主党政権のアメリカにはいつも虐められてきた。
私たちは台湾を鏡として自国を振り返り、没落のスピードを台湾と共に減速させる必要に迫られている。
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写真見たければ、後で載せますよ。
さんが、今日の午後突然現れた。今日は引越しする日であるが、ご主人の勤務の関係で夕方まで何もすることが無いと、わざわざボランティアで手伝いに来てくれたのだ。
















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