本日以前から掛かられている、ある抑うつと転換性障害の男性が来院された。ふとサプリメントの話が出て、ビール酵母とビタミンCと鉄を飲まれていると聞いて驚いた。
 私がちょこっとフリーラジカルや活性酸素の研究を齧っていた20年前でも、鉄イオンはスーパオキサイドという活性酸素の一種があると、古典的フェントン反応というのを起こして、ヒドロキシラジカル(HO・)という非常に強いラジカルができることは常識であった。ヒドロキシラジカルは拡散速度で周囲にある物質と反応するので、非常に強い酸化剤である。
 当時から女性が男性よりも長寿である理由の一つとして、女性ホルモンの存在と女性が潜在的鉄欠乏にあることが考えられていた。このことは先日の抗加齢医学会でも話題に挙がっている。
 鉄の過剰は体内の酸化反応を促進するので、動脈硬化や癌の危険性を増大させる。現にC型肝炎などでは、鉄分を減らすために瀉血療法と言う血を抜く治療をすることがある。
 成人の男性は鉄欠乏になることは稀であり、もしそれがあるなら、潰瘍や癌からの出血を疑わなければならない。
 体によい栄養素だからといって、闇雲にたくさんとれば健康になるわけではない。鉄などは欠乏が無い状態で過剰に摂取することが、寿命を縮めることがある。
 現代のようにマスコミやインターネットで嫌になる位に毎日健康の話を流していても、やはり穴はできるものである。かえって情報に振り回されて分からなくなるのかもしれない。
 とにかく、主治医にこんな薬やサプリメントを飲んでいますと、正直に報告されることをお勧めする。
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【2006/05/31 22:19】 | サプリメント トラックバック(0) |

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