
パニック障害の患者さんは、一般にもともと危険感知能力が優れていて、扁桃核や青斑核が過活動している方が多い。
この大脳コンピュータのパーツは、実際に危険な状況に陥ったときに全力で戦うか逃げるかの反応である「パニック反応」を起こすためにも存在している。火事場の馬鹿力も、ここが活動してくれるからこそ生じる。
しかし、睡眠不足、過労、ストレスなどが続いたり、空腹時、人ごみ、カフェインの過剰摂取などの状況で、突然にこのパニックシステムが発動してしまうことがある。
こうした客観的にみれば、それ程の危険が無い状況で「パニック反応」が起きると、大脳は驚愕する。その体験は、なった人で無ければ分からないくらいに恐ろしい。
何が恐ろしいといって、何も恐ろしいことは無いと考えられるのに、胸から突き上げてくる訳の分からない恐怖ほど恐ろしいものは無い。
この訳が分からない反応を一度体験すると、大抵の人は記憶システムにその状況や身体感覚が強く焼き付けられる。そして大脳で、繰り返し「あの恐ろしい体験を二度としたくない」とか、「また、ああなったらどうしよう」と考える。
こうして「予期不安」や体験した状況を避ける「広場恐怖」が生じるのだ。
身体疾患が無い場合や、パニック障害を起こす前の性格がごく普通の場合、パニック障害の治療はわりと簡単である。
まずパニック障害という病気であることを自覚し、過敏に活動している危険感知システムを沈静化させるために、セロトニンの活動を調節するSSRIや、初期においては脳の興奮性を抑える心身安定剤を使用する。
そしてもっとも大切な事は、新しい成功体験を重ね、焼きついた記憶を上塗りすることである。不安でも少しできた。少々不安でもけっこうできた。少し気になるが、かなり出来た、という経験を重ね、段々と慣れていくのだ。
こうして悪い自己催眠から、よい自己催眠サイクルに入ればしめたものである。
一歩踏み出すために必要なことは、やはり欲望だ。どうしてもやりたいことがある人や、どうしてもやらなければならないことがある人はやはり治りやすい。
最近も、お子さんがどうしても大学に行きたいと言うので、已む無くパートを始めなくてはならないお母さんが、ワンアップされて一歩踏み出された。
正に必要は、治癒の母である。
人気blogランキングへ←パニック障害は優れた危険回避能力を持っていることは分かったが、虎穴にいらずんば孤児を得ずという方も、それでも座して危険を避けようという方も、今はとりあえず一票お願いします。愛のある方は愛を、お金のある方はお金を恵んで下さっても結構です。
| ホーム |







