071113a.jpg

 昔基礎医学に行ったある先生に、「薬は効かない」と「医者は患者の足を引っ張る」という2つの言葉を教わり、妙に納得した覚えがある。
 しかしたまには薬が劇的に効くこともある。

 図の症例はある肥満型の高血圧と糖尿病の合併症の患者さんのグリコヘモグロビンA1Cの経過である。
 やせるように運動と食事指導をしていたが、グリコヘモグロビンは6台で変移していた。体重は常に安定した状態を保っていた。

 今年の7月にグリコヘモグロビンを測定したところ7.4に上昇していた。しょうがなく私は「メトフォルミン」という、インスリンの感受性を改善しメタボリック症候群にも有効とされる糖尿病の薬を500mgほど処方した。

 次の検査日である8月23日のデータを見てもらいたい。空腹時血糖は100に低下し、グリコヘモグロビンも6.7に低下しているではないか。

 そしてなんと驚くことに、彼女が言うのには「済みません。どうしても薬を飲みたくなかったので、食事と運動に注意してがんばりました。御免なさい。」とのことである。

 そして今のところはその後もグリコヘモグロビンは低下を続け、ほぼ正常レベルに達している。

 このように糖尿病に対して薬の投与が劇的に効果を示すことがあるのである。しかも一度も服用せずにである。

 しかし賢明なる皆様に申し上げておきたい。
 この一例は健康食品が劇的に効いた一例と同じものかもしれない。
 くれぐれも処方された薬を勝手に中止されることの無いように。
 そして主治医に自分の情報をオープンに告げてくださるように。

人気blogランキングへ←気が向いたら、押しておくれ

FC2 Blog Ranking←気が向いたら、これも押しておくれ 






 
 

【2007/11/13 20:45】 | 糖尿病 トラックバック(0) |


じー
その飲まなくても効く薬、欲しいですね。
手元に置いておくだけで、食事制限、運動をしたくなる何かが
あるのでしょうね。メタボー・・・じゃなくて、ブラボー。



ヤブー(管理人)
>>じー様
ほら、毎月検査すると良くなっているでしょ。(笑)
この薬の処方を受け、毎月検査すればあなたもきっと良くなるのです。
とても昔からある古い薬ですが、最近カロリー制限の代わりになるかも、と一部で言われています。
この方の場合は、飲む代わりに実際にカロリー制限したんですけどね。



じー (都内客先)
>ほら、毎月検査すると良くなっているでしょ。(笑)

多分、そうかもしれない。
毎月検査すれば懐も寂しくなり、自然と食事制限。(笑)



ヤブー(管理人)
>>じー様
余分に食べると薬代が増えて懐が寂しくなり、結果的に食事制限、とはならないですかね。
そういえば、患者さんは医者の生活費の分も食べて下さるありがたい存在である、と看破した先輩がいたような・・・・。

コメントを閉じる▲
 先日ある患者さんがおよそ半年振りで来院された。糖尿病でグリコヘモグロビンが10以上の状態がしばらく続き、12台になったのでそろそろインスリン治療を勧めていた方である。しかしその方はインスリンが嫌で徹底的に節制され、奇跡的にグリコヘモグロビンが5.3ぐらいの正常に戻ったのである。そこまでは良かったが・・・。
 この度来院されたのは3日前から異常に喉が渇き、体重も10kg減っているという。血糖値は400近くあり、尿中ケトン体もたくさん出ている。
 これはとりあえずインスリン治療を開始すべき状態である。かくしてこの患者さんはあんなに嫌がっていたインスリン注射をその日から開始する羽目になったのである。
 あんまり調子が良かったのでもう治ってしまったと勘違いして、薬もやめて来院していなかったのが運のつきであった。
 またヤブーも忙しさにかまけて、来院されていないのにしばらく気づかなかった。これからは電子カルテ「ダイナミクス」の脱落患者検索システムを豆にチェックして、生活習慣病の患者さんの管理を徹底しなければ。反省。
 いずれにせよ、うまく行っている状態をむやみに変えるのは良くない。所謂「小泉改革」も調子に乗って、日本のよき部分を変えないように国民が監視しなければいけないかもしれない。

人気blogランキングへ←油断大敵だとヤブーに教えるために一押しをお願いします。

【2006/01/07 11:32】 | 糖尿病 トラックバック(0) |

管理人のみ閲覧できます
-


コメントを閉じる▲